施設の公式パンフレットや東京都立産業貿易センター浜松町館フロアマップを確認すると、2階から5階にかけてほぼ同一形状の展示室(各階約1,500㎡)が整然と並んでいることがわかります。フロアごとの無柱空間と約5メートルの高い天井は非常に使い勝手が良いと好評を博す一方、東京都立産業貿易センター浜松町館混雑の真相を現場目線で紐解くと、特有の構造的弱点が見えてきます。
現場取材および来場者の行動ログから浮き彫りになるのは、「縦の動線におけるボトルネック現象」です。一般来場者が階間を移動するメイン手段はエスカレーターと一般用エレベーターですが、エスカレーターは各フロアを交互につなぐ設計となっており、多人数が一気に上層階(特に4階・5階)へ向かう催事では、2階ロビーからエスカレーター乗り口にかけて長蛇の列が発生します。
さらに盲点となるのが一般用エレベーターの運用です。ベビーカー利用者、車椅子利用者、重いキャリーバッグを引く出展者やコスプレイヤーが集中すると、エレベーターは常に満杯の状態で通過し、中間階である3階や4階で待つ人がいつまでも乗り込めないという事態が頻発します。関係者へのヒアリングでも「人気催事の午前中はエレベーターをあてにせず、多少疲れてもエスカレーターまたは非常階段開放動線を使うのが鉄則」と語られており、時間に余裕を持ったフロア間移動が不可欠です。