フェイスペイントを安全に楽しむためには、ネット上で流布している誤った知識を是正し、化学的・衛生的な事実を把握しておく必要があります。特に注意すべき2つの盲点を解説します。
第一の誤解は、「絵の具(アクリル絵の具・水彩絵の具)で代用しても問題ない」という危険な言説です。SNS動画などで手軽さをアピールするために文具用のアクリル絵の具を顔に塗る様子が投稿されることがありますが、これは皮膚科学的に重大なリスクを伴います。工業用顔料や防腐剤が含まれる文具絵の具は、肌の通気性を完全に塞ぎ、激しい接触皮膚炎や色素沈着、剥がす際の角質剥離を引き起こす恐れがあります。顔に使用する塗料は、必ず「化粧品登録」または「皮膚安全性テスト済み」の専用ペイントを使用しなければなりません。
第二の盲点は、簡単な落とし方の基本原則です。油性ペイント(ドーラン等)は水や石鹸を弾く性質があるため、いきなり水で洗い流そうとするのは禁物です。正しい手順は以下の通りです。
- ペイント部分にクレンジングオイルやベビーオイルをたっぷり馴染ませ、擦らずに浮かせる。
- 浮き上がった油分と色素をティッシュやコットンで優しく拭き取る。
- その後、通常の洗顔料をしっかり泡立てて洗い流し、十分な保湿ケアを行う。
落とす際の摩擦こそが肌荒れの主因となるため、擦らずに油分を乳化させて拭き取ることが、肌トラブルを防ぐ最大の防御策となります。