女性デュオに対して常に付きまとうのが「不仲説」です。ピンク・レディーに関しても、解散直後や活動休止期間中に「実は仲が悪かったのではないか」という憶測が週刊誌やネット上で何度も取り沙汰されてきました。
実態はその正反対です。ふたりの出会いは静岡県立常葉高校(現・常葉大学附属常葉高校)時代に遡ります。オーディション番組『スター誕生!』に挑戦した10代の頃から、ふたりは寝食を共にし、大人たちの思惑や過密日程から互いを守り合うようにして生きてきました。増田恵子さんは過去の対談で「あの異常な過密スケジュールを生き抜けたのは、隣にミーがいてくれたから。誰にも言えない苦しみを行動で分かち合えた唯一の存在」と述懐しています。
解散後、それぞれがソロ歌手や女優として別々のキャリアを築いたことで、ふたりの距離感はより健全なものとなりました。べったりと依存し合う関係ではなく、お互いの才能と生き方を一人の自立した女性として尊重し合う関係へと昇華したのです。2000年代以降の断続的な再結成コンサートや、2010年の「解散やめ!」宣言で見せた息の合ったダンスとハーモニーは、単なるビジネスライクな関係では決して生み出せない、半世紀を共にした者同士の強固な信頼の証明といえます。