『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の長い歴史のなかで、両津勘吉が展開した両津勘吉 ゲームビジネスは、まさに著作権侵害とアイデアの暴走が交錯する無法地帯でした。ファミコン黎明期からプレイステーション、オンラインゲーム時代に至るまで、両津は世間でヒットしたゲームを見つけるやいなや、即座に模倣・複製・改造を行い、違法まがいの暴利を貪ろうと企てます。
こち亀 海賊版ゲームのエピソードとして名高い回では、基板の違法コピーやカセットのROM書き換え、有名キャラクターのパーツをツギハギした粗悪なクローンソフトの量産が描かれました。秋本治氏の緻密な描写力により、海賊版業者の流通ルートやアキバ系アンダーグラウンドの裏事情が生々しく再現されており、単なるギャグにとどまらないリアリティが読者を唸らせたのです。
こうしたこち亀 パクリ回の根底にあるのは、両津の「儲かるなら手段を選ばない」という飽くなき金銭欲と、常人離れした行動力です。しかし、どれほど巧妙に偽装しても最後は著作権法違反の追及やバグの多発、関係各所からの猛抗議によって自爆するのがお約束のフォーマットとなっていました。