伝統的な意味合いを持つライスシャワーですが、近年では「生の白米をそのまま撒くこと」を規約で禁止している式場やホテルが少なくありません。ウェディングプランナーや会場責任者への取材によると、その背景には現場ならではの明確な課題が存在します。
1. 転倒事故のリスクと安全管理
チャペルの階段や大理石、磨かれたフローリングに硬い生米が散らばると、極めて滑りやすい状態が生じます。高いヒールを履いている女性ゲストや、足元の視界が制限されるロングトレーンのウェディングドレスを着た新婦、さらには高齢の親族が足を取られて転倒する重大事故を防ぐため、安全管理上制限されるケースが一般的です。
2. 新郎新婦への衝撃と衣類への入り込み
生の米粒は小粒でありながら硬度があります。ゲストが勢いよく投げた場合、新郎新婦の顔や目に当たって痛みを伴ったり、メイクが崩れたりするトラブルが起こり得ます。また、ドレスの繊細なチュールやレースの隙間、新婦のアップスタイルにしたヘアセットの中に米粒が入り込み、披露宴前の手直しに時間がかかってしまう点も現場の懸念材料です。
3. 鳥害と衛生管理・食品への倫理観
屋外の大階段やガーデンで生米を撒くと、鳩やカラスなどの野鳥が集まる原因となり、後続の挙式に糞害などの衛生的な悪影響を及ぼす可能性があります。また、日本人の文化的な価値観として根強い「食べ物を粗末にしてはいけない(もったいない精神)」という観点から、年配の参列者が違和感を抱くケースも指摘されています。