現在、東京の旗艦店である原宿店や銀座店、南青山のトウキョウストアをはじめとする国内直営店に足を運んでも、Tシャツのラックが潤沢に埋まっている光景に出会うことは極めて稀です。2024年から2026年にかけて段階的に行われた価格改定により、定番のショートスリーブTシャツの国内定価は税込93,500円〜121,000円前後へと引き上げられました。アーティストコラボや肉厚な限定ボディに至っては、15万〜20万円を超えるプライスタグが付けられています。
この急激な定価高騰の背景には、原材料である高級コットンや輸送コストの高騰に加え、ブランド側が明確に舵を切った「排他性の強化(ハイエンド・ラグジュアリー戦略)」があります。生産数を意図的に絞り、店頭での希少価値を高めることで、ブランドステータスを極限まで引き上げる手法です。
直営店舗の在庫状況を取材すると、入荷は完全な不定期であり、入荷当日〜翌日には主要サイズ(S・M・L)が即座に完売するサイクルが定着しています。特に外国人観光客の需要が集中する銀座や原宿の店舗では、入店制限や整理券対応が取られる日も珍しくありません。店頭で希望のモデルに出会える確率は極めて低く、「定期的に店舗へ足を運んで入荷のタイミングを掴む」ことが現在も唯一の正規購入ルートとなっています。