ネット上のファッションまとめ記事において頻繁に見受けられる「最高気温18度はスウェットや裏毛パーカー1枚で快適に過ごせます」という記述は、都市生活の実情を無視した危険な誤解です。
裏起毛スウェットやヘビーウェイトのフーディーは、確かに気温18度の屋外を無風状態で歩く分には適温に感じられます。しかし、これらのアイテムは「着脱による温度調節が極めて困難」という致命的な弱点を抱えています。外気温が18度であっても、暖房が効いた地下鉄車内や混雑するカフェの室内温度は22度〜24度前後に達します。ひとたび汗をかき始めても、厚手トップス1枚では脱ぐことができず、不快指数が跳ね上がることになります。
温熱生理学の観点からも、皮膚表面温度の急激な上昇と下降の反復は、自律神経系に過剰な負荷を与え、季節の変わり目特有の「寒暖差疲労」を深刻化させます。服飾の専門家が厚手の単一アイテムを推奨せず、「薄手アイテムの多層化(レイヤリング)」を一貫して提唱するのは、健康維持と衣服内気候の安定化という科学的根拠に基づいているからです。