求人広告で「月収40万円以上可能」「学歴・経験不問」といった見出しを目にしたとき、まず疑うべきは給与体系の設計です。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」をはじめとする各種労働データを見ても、特別な技能や独占資格を必要としない職種の平均初任給が、専門職のそれを大きく上回るケースは統計学上極めて稀です。
取材班が実際に「未経験から月収35万円」と記載された都内近郊の求人に複数応募・ヒアリングを行ったところ、提示された高収入の多くは「基本給18万円+高歩合(インセンティブ)」や「月80時間近い固定残業代込み」という過酷な構造であることが浮き彫りになりました。
「求人票の『平均月収38万円』という数字を信じて入社しました。しかし現場に入ると、その金額を手にしていたのは全体の5%未満。大半のスタッフはノルマに追われ、精神的・肉体的に限界を迎えて数カ月で去っていきます」(30代・元訪問買取営業スタッフの手記より)
このように、「誰でもできる仕事 高収入の実態」とは、「誰でも挑戦できるが、過酷な生存競争に勝ち残った者だけが高収入を得られる」という淘汰の構造を指しているのが冷厳な事実です。身体的なリスク、法規制のグレーゾーンを突いた業務委託契約、あるいは極端な時間外労働を前提としていないか、応募前に契約書面を精査する警戒心が欠かせません。