最新の景況動向を俯瞰すると、多くの中小企業が「原材料・エネルギーコストの高騰」「人手不足に伴う持続的な賃上げ圧力」「インボイス制度や電子帳簿保存法への定着対応」という三重苦に直面しています。
実態調査の統計分析からも、価格転嫁(コスト上昇分の販売価格への反映)に成功している企業と、取引先との関係性から値上げできずに利益を削っている企業との二極化が鮮明に表れています。利益率を維持できている中小企業に共通しているのは、省力化・業務効率化に向けたデジタル投資(ITツール導入や設備自動化)を積極的に進め、1人あたりの労働生産性を引き上げている点です。
国や自治体が実施する「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「事業再構築支援」などの各種施策は、中小企業実態基本調査の集計データを根拠に予算規模や補助要件が設計されています。調査に実態を反映させることは、現場の窮状を政策決定者に届け、より実効性の高い支援策を引き出すための間接的な一票となります。