保釈金とは?全額戻る噂の真相と相場・没収条件を元記者が徹底解説

保釈金とは?全額戻る噂の真相と相場・没収条件を元記者が徹底解説

保釈金とは?全額戻る噂の真相と相場・没収条件を元記者が徹底解説について分かりやすく解説いたします。専門家の見解をご確認ください。

インターネット上の掲示板やSNSで最も多く見られる疑問が、「保釈金は裁判が終われば本当に全額戻ってくるのか」という点です。結論から述べると、公判期日への出頭を怠らず、保釈条件を遵守して刑事裁判を終えれば、判決の内容(有罪・無罪・実刑・執行猶予)にかかわらず全額返還されます。保釈金は国が科すペナルティである罰金や追徴金とは根本的に異なり、身柄解放と引き換えに裁判所へ預託しておく「人質ならぬ金銭担保」に過ぎないためです。

では、どのようなケースで「没収(法的には没取:ぼっしゅ)」されてしまうのでしょうか。刑事訴訟法第96条には、裁判所が保釈を取り消し、保証金の全部または一部を没取できる要件が明確に定められています。

代表的な没収の引き金となるのは以下の事由です。

  • 正当な理由なく指定された公判期日に出頭しなかった場合(無断欠席や逃亡)
  • 逃亡した、または逃亡すると疑うに足りる相当な理由がある場合
  • 被害者、証人、共犯者などに接触し、脅迫や口裏合わせなどの罪証隠滅(証拠隠滅)を試みた場合
  • 住居の制限や旅行制限など、裁判所が定めた保釈指定条件に違反した場合
  • 被害者や関係者に対して危害を加えた、または加えると脅迫した場合

かつて日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告がレバノンへ不法出国した事件では、納付されていた合計15億円の保釈金が全額没取され、国庫に帰属しました。極めて悪質かつ計画的な逃亡事案として、司法史上に残る巨額没取劇となったことは記憶に新しい事実です。

トラブルなく公判が終了した場合における保釈金が戻ってくる時期は、判決言渡し当日に即時返金されるわけではありません。通常は判決言い渡しから概ね2日〜1週間程度で、納付を担当した弁護士(弁護人)名義の預り金口座、または指定した還付請求者の銀行口座へ裁判所から直接振り込まれます。

山田 真由
著者

山田 真由

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