勝尾寺がなぜ「勝運の寺」としてこれほどまでに深い信仰を集めるのか。その起源は平安初期に遡る。第56代・清和天皇の病気平癒を祈祷した際、その効験があまりに顕著であったことから、帝より「勝王寺」の寺号が賜られたという。
「王に勝つ」という名称の尊大さを畏れ多いとした寺側は、「王」の字を「尾」に改め、「勝尾寺」と称するようになった。以来、源氏や足利氏、織田氏、豊臣氏といった時代の覇者たちが、合戦の勝利を祈願してこぞって参拝。現代においてその信仰対象は、他者との争いではなく「自分自身の弱さに打ち勝つこと」へと昇華されている。