「実地指導(運営指導)で最も突っ込まれるポイントはどこか」という疑問に対し、元行政指導担当者や現場のベテラン管理者が口を揃えるのは、文面の巧拙ではなく「手続きの適法性」と「計画の個別性」です。
介護保険・医療保険のいずれにおいても、計画書の未作成や交付遅延が発覚した場合、「訪問看護計画未作成減算」が適用されるだけでなく、算定要件を満たしていない期間の訪問看護費そのものが不正・不当請求とみなされ、数か月から数年分に遡って報酬全額の過誤返還を求められるケースが後を絶ちません。1事業所で数千万円規模の返還命令が下り、事業継続を断念した事例も実際に報道されています。
行政が目を光らせる決定的なチェックポイントは、以下の3点に集約されます。
- 交付日と同意日のタイムスタンプ:計画対象期間が始まる前、あるいは遅くとも初回の訪問日までに説明と同意が完了しているか。月末にまとめて日付を遡ってサインさせた形跡(バックデート)がないか。
- 主治医指示書との整合性:医師の指示期間外に計画が立てられていないか。指示書に記載された医療処置(褥瘡処置、点滴管理など)が計画書に漏れなく位置づけられているか。
- テンプレートの丸写し(定型文)の排除:利用者個別の生活背景や心身機能の差異が一切見られない「同一文面の使い回し」は、計画書未作成と同等と判断されるリスクが高い。
交付頻度と提出期限を遵守することは、単なる事務手続きではなく、ステーションを倒産危機から守るための絶対的な防壁です。