SNSや料理コミュニティサイトに寄せられるリアルな声を取材すると、下処理に関して以下のような失敗や不満が頻発しています。
「手で引っ張ったら筋が途中で切れて、肉の奥に埋まってしまった」
「包丁で削っていたら、ささみが細切れになって原型をとどめていない」
「手が滑って何度もやり直しになり、衛生面でもストレスを感じる」
これらの失敗が起きる背景には、ささみの筋が残る理由となる典型的な力学ミスが存在します。
最も多いのは、筋を引き抜く際に「上方向(天井方向)」に引っ張ってしまうパターンです。上に向かって引っ張ると、肉と腱の剪断応力(引き裂く力)が高まり、途中で腱がブチッと破断します。引き抜く際は、「肉に対して平行、かつ斜め下方向」に力を逃がすのが鉄則です。
また、素手で筋をつまもうとすると脂分と水分で必ず滑ります。端をペーパーで押さえて摩擦係数を確保するだけで、失敗率は劇的に低下します。