放送当時、視聴者の大きな関心と疑問を集めたのが「なぜニア役に女性である優希美青がキャスティングされたのか」という点でした。当時16歳だった優希美青は、ホリプロタレントスカウトキャラバングランプリ出身の若手有望株であり、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』や『マッサン』で実力派としての頭角を現していました。
日本テレビ制作サイドが女性キャストの起用を決断した背景には、「少年の無機質な美しさと、中性的な透明感を実写で表現する」という明確な狙いがありました。原作のニアは思春期前の華奢な体躯とあどけなさを残しており、成人男性俳優ではどうしても体格や骨格の男性性が強調されてしまいます。舞台や宝塚の手法と同様に、「女性俳優が少年の記号性を演じる」ことで、神秘的な天才少年の佇まいを成立させようとしたのです。
しかし、その意図はテレビの画面を通じて視聴者へストレートには届きませんでした。放送当時のネット上の反応では、以下の問題点が指摘されました。
- 二重人格の切り替えに伴う発声の不自然さ:穏やかで無機質な「ニア」と、攻撃的で荒々しい「メロ」の人格を1人で演じ分ける重圧から、特にメロ人格時の演技に無理な力みが目立ち、空回り感が否めなかった。
- 人形劇演出のシュールさ:片手に持ったパペット人形を動かしながらセリフを喋る姿が、緊迫したサスペンス劇の中でコメディのように浮いて見えてしまった。
- 体調面での過酷なプレッシャー:優希美青自身、放送期間中に一時的な体調不良を報じられるなど、社会的注目度の極めて高い怪物コンテンツでの改変キャラクターを担う精神的負担は計り知れないものがありました。
現在振り返れば、演技力そのものというよりは、「初めから破綻を孕んでいた演出プランを十代前半の若手女優ひとりに背負わせたこと」に最大の不幸があったといえます。