日本最高峰のステータスを誇る六麓荘ですが、実際の生活環境には独特のハードルが存在します。現場観察や住民の声を検証すると、都市部での一般的な暮らしとは大きく異なる日常が浮かび上がってきます。
まず挙げられるのが、「生活利便施設が町内に一切存在しない」という点です。コンビニエンスストア、スーパーマーケット、自動販売機、郵便ポスト、飲食店などは町内に1つもありません。日常の買い物であっても、麓の阪急芦屋川駅やJR芦屋駅周辺まで車で下る必要があります。六甲山の山裾に位置するため傾斜が非常に急で、徒歩や自転車での移動は非現実的です。自家用車の複数台所有、または専属運転手の雇用が生活の前提となります。
また、豊かな自然環境の裏返しとして、六甲山系特有の気候や自然動物への対策も必須です。冬季には路面凍結や積雪が発生するため四輪駆動車やスタッドレスタイヤが欠かせず、イノシシなどの野生動物が庭に入り込まないよう強固な防護柵や擁壁の定期点検が求められます。
さらに、敷地が広大であるため、「植栽の剪定・庭園管理コスト」が恒常的に発生します。景観協定によって緑化が義務付けられているため、庭の手入れを放置して荒れ果てさせることは許されません。造園業者による定期的なメンテナンスだけで年間数百万円の出費となるケースも珍しくありません。