ガラス越しに静まり返るラボの中で、研究員の手元が微細に動く。エアスクライバー(化石クリーニング専用の超音波工具)が発する甲高い金属音が、薄いガラス壁を隔てて静かに響き渡る。長崎市恐竜博物館の大きな魅力の一つが、この「オープンラボ」だ。
来館者は、長崎半島で今なお採取され続けている地層サンプルから化石を取り出し、修復していくプロセスをリアルタイムで目撃できる。「昨日掘り出されたばかりかもしれない化石」を前に、子どもたちの目は輝きを増す。古生物学という学問が「終わった過去」ではなく「現在進行形の探求」であることを、この空間は雄弁に物語っている。