ロック・ルソー・モンテスキューの違い徹底解説!主権と三権分立の要点

ロック・ルソー・モンテスキューの違い徹底解説!主権と三権分立の要点

ロック・ルソー・モンテスキューの違い徹底解説!主権と三権分立の要点に関する最新の話題を詳しく解説いたします。

3人の思想を整理するうえで、まず把握すべきは「誰が社会契約説の系譜で、誰が統治機構の技術者なのか」という根本的な枠組みです。ロックとルソーは、国家が成立する前の「自然状態」と人間が生まれながらに持つ「自然権」を出発点とする社会契約説の代表格です。一方で、モンテスキューは現実の法制度や政治体制を比較分析し、権力の濫用をいかに抑え込むかという統治の仕組みに心血を注ぎました。

ジョン・ロック(イギリス、1632〜1704年)は、名誉革命期の動乱を経験した思想家です。主著『統治二論』(市民政府二論)の中で、人間は生命・自由・財産という不可侵の自然権を守るために契約を結び、政府にその権利を「信託」したと論じました。ロック思想の肝は、主権者が信託に背いて専制を行う場合、国民は政府を打倒して新たな統治者を打ち立てられるとする「抵抗権(革命権)」を明文化した点にあります。この論理はアメリカ独立宣言(1776年)の起草者トマス・ジェファソンに決定的な影響を与え、議会を中心とする間接民主制(代表制民主主義)の土台を築きました。

これに対し、強烈な情熱をもって根本的な平等を希求したのがジャン=ジャック・ルソー(ジュネーヴ出身・フランスで活動、1712〜1778年)です。主著『社会契約論』において、文明の進展と私有財産制が人々に不平等と隷属をもたらしたと痛烈に告発し、「自然に帰れ」と訴えました。ルソーは、社会共通の公共の利益を目指す純粋な意思である「一般意志」に従って社会契約を結ぶべきだと主張します。彼にとって主権は分割も譲渡もできないものであり、主権者は国民自身(人民主権)でなければなりませんでした。したがって、議員に主権を委ねる国民代表の原理を真っ向から否定し、「イギリス人は自らを自由だと思っているが、それは大間違いだ。彼らが自由なのは議員を選ぶ選挙の最中だけであり、選ばれた途端に奴隷となる」と言い放ち、徹底した直接民主制を理想と掲げたのです。

そして、フランスの貴族階級出身の法官であったモンテスキュー(フランス、1689〜1755年)は、社会契約という抽象概念よりも、生身の人間が振るう権力の毒性に目を光らせました。大著『法の精神』において、当時のイギリス立憲政治を現地で詳細に観察し、国家の権力を立法・行政・司法の3つに分け、それぞれ独立した機関に担わせる「三権分立」を体系化しました。権力が一つの機関に集中すれば必ず専制が生まれるという冷徹なリアリズムに基づき、権力同士を互いに競わせ、ブレーキをかけ合わせる「抑制と均衡(チェック・アンド・バランス)」の概念を提示。これはアメリカ合衆国憲法をはじめ、現代民主主義国家の基本構造としてそのまま息づいています。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。