インターネット上の解説動画や掲示板では、「下回転をかけるには手首を限界までスナップさせろ」「インパクトで力いっぱい握り締めろ」といった極端なアドバイスが散見されます。しかし、現代の用具性能を踏まえると、これらは大きな誤解を招くリスクを孕んでいます。
卓球ラバーにおける回転のかけ方の進化により、現在のテンション系ラバーや粘着性ラバーは、過度な筋力を使わなくてもシートの微細なグリップ力で強烈な回転がかかる構造になっています。手首を過剰に使いすぎると打点の安定性が失われ、トスミスや台の角にラケットをぶつける原因になります。
もう一つの重大な盲点は「フォロースルーを大きく取ろうとすること」です。強烈なスピンをかけた後、スイングを惰性で流してしまうと、第3球目攻撃への戻りが致命的に遅れます。トップ選手が下回転サーブを出した直後、瞬時に構えのニュートラルポジションへ戻れているのは、インパクトの瞬間にスイングを完結させているからです。