コンサートのPAエンジニアや著名プロデューサーなど、音楽関係者が絶賛する歌唱力の現場では、2人に関する伝説的な証言が数多く記録されています。かつてMr.Childrenの桜井和寿やEXILEのATSUSHIが「日本で最も歌が上手いのは玉置浩二さん」と公の場で語った背景には、スタジオ録音と生演奏の境界を軽々と飛び越える圧倒的な表現力があります。
玉置浩二の歌唱力と真相を探る上で欠かせないのが、自著や特番インタビューでも語られてきた「リズムと息づかいの一体化」です。バラードにおける息の混じった歌声(気息声)は、通常ピッチを不安定にさせやすい物理的特性を持ちます。しかし玉置の場合、どれほど弱音で囁くように歌っても音程の揺らぎが1ヘルツ単位で安定しており、休符すら音楽に変えてしまう間(ま)のコントロール力を誇ります。生のステージで突如としてメロディを崩してフェイクを入れても、コード進行と完璧に調和する即興性は、ジャズミュージシャンからも「天才的」と絶賛されています。
対するMISIAの音域と歌唱力の核心は、喉頭を上げずに共鳴腔(喉の奥・鼻腔)を広く保ち続ける強固な発声フォームにあります。一般的なポップスシンガーが高音域に差し掛かると喉が締まり、音が薄くなりがちですが、MISIAは高音域になればなるほど声帯の振動効率を高め、スタジアムの残響を切り裂くフォルマント(声の特定周波数帯)を生み出します。生演奏の大音量バンドに決して埋もれないこの「通る声」こそが、音源以上の感動を生む物理的根拠です。