「泊まれる本屋」心斎橋の閉店理由と現在|ブーム終焉の真相を追う

「泊まれる本屋」心斎橋の閉店理由と現在|ブーム終焉の真相を追う

「泊まれる本屋」心斎橋の閉店理由と現在|ブーム終焉の真相を追うの概要と注目ポイントを一挙に解説しました。

「読書をしていたら、いつの間にか寝落ちしてしまった」という、誰もが経験したことのある最高の瞬間を具現化し、2018年12月に華々しくオープンした心斎橋店。しかし、その輝かしい物語は開店からわずか1年数か月で暗転します。突如として浮上したブックアンドベッド心斎橋の閉店理由を探ると、複合的な経営課題が重くのしかかっていた実態が浮かび上がります。

決定打となったのは、2020年春の新型コロナウイルス感染拡大です。心斎橋エリアは当時、来日外国人観光客(インバウンド)への依存度が極めて高く、渡航制限によって街から旅行者の姿が一夜にして消滅しました。客室稼働率は業界全体で一時10%台にまで激減。密を避ける生活様式が急速に浸透するなかで、仕切りがカーテン一枚のみであるドミトリー形式の宿泊施設は、衛生面への不安から敬遠される事態に陥りました。

さらに見逃せないのが、「写真映え」を動機とする一回限りの来店客が中心だった点です。リピート率の低さと客単価の限界という、体験特化型ホテル特有の弱点が顕在化。固定賃料の重圧に耐えかね、事実上の営業停止から再開へ舵を切ることなく静かに撤退を決定づけられました。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。