東西に約200メートルという驚異的な横幅を持つこの建物は、建設当時から大手町のランドマークであり続けた。水平線を強調した伸びやかなファサードは、日本の高度経済成長を支えたオフィスビル群の先駆けであり、建築史的にも極めて高い価値を有している。建て替えによるスクラップ・アンド・ビルドが常態化する都心において、この規模の歴史的建造物を遺す決断自体が異例だった。
既存構造を活かしつつ耐震性と環境性能を劇的に向上させるリノベーション工事は、難易度の極めて高い挑戦であった。地下階から屋上に至るまで、配管や空調インフラを一新し、最先端のBCP(事業継続計画)性能を付与。過去の意匠を尊重しながら現代のオフィススペックへ昇華させたアプローチは、都市再生の新しいモデルとして国内外から強い関心を集めている。