日本国内で流通するペットフードは、完全に無法地帯というわけではない。2009年に施行された「ペットフード安全法(愛玩動物用飼料の安全性の確保に関する法律)」に基づき、農林水産省と環境省が共同で基準や規格を定めて監視を行っている。
この法律により、有害物質を含むフードの製造・輸入・販売は規制され、一定の安全水準は維持されている。また、業界団体である一般社団法人ペットフード協会も品質向上に向けた啓発活動を続けている。しかし、ここで注意すべきは「法律の基準をクリアしていること」と「愛犬の長期的健康にとって最適であること」は同義ではないという点だ。
ペットフード安全法が定めているのは、あくまで即座に致命的な健康被害を引き起こさないための最低限の安全ラインに過ぎない。BHAなどの合成酸化防止剤も法定基準値以下であれば使用が認められているため、長期的な摂取による微小な蓄積リスクまで完全に排除されているわけではないのが現状だ。