日本で古くから親しまれているホンアジサイやガクアジサイ、西洋アジサイ(ハイドランジア)の多くは「旧枝咲き(前年枝咲き)」という性質を持っています。これは、前年の夏から秋にかけて枝の先端付近に花芽を作り、冬の寒さを経て翌年初夏に開花する仕組みです。
この生理機構を理解していないと、良かれと思って秋や初冬に枝を整えた瞬間に、翌年の花をすべて奪い去ることになります。これこそが、多くの栽培者が直面するアジサイの花芽の剪定失敗における典型例です。
確実に来年も開花させるための紫陽花の剪定時期は、花が色褪せ始める「花後の6月下旬から遅くとも7月中旬まで」が厳守ラインとなります。8月に入ると翌年の花芽分化が始まるため、この時期以降にハサミを入れると開花枝を自ら切断することと同義になります。
では、実際に紫陽花の剪定はどこを切るのが正解なのでしょうか。基本ルールは「咲き終わった花から数えて2〜3節目(葉の付け根)のすぐ上、約1〜2cmの位置」を水平にカットすることです。節の脇にはすでに小さな新芽が潜んでおり、ここから伸びた枝が秋までに充実して翌年の花芽へと育ちます。
剪定時に迷わないためには、紫陽花の花芽の見分け方を把握しておくことが重要です。晩秋から冬にかけて、枝先を観察してください。先端が丸くふっくらと膨らんでいるものが「花芽(蕾を含む芽)」であり、平たく細長く尖っているものは葉にしかならない「葉芽」です。丸い芽が確認できる枝は絶対に切らずに残すことが、翌年の開花を約束する鉄則です。