もう一つの代表作である『1週間10万円生活』もまた、加藤の真価が発揮された傑作だ。限られた予算と時間の中で繰り広げられる人間模様、極限状態で見せるメンバーの本音や葛藤を、カメラは容赦なく捉え続ける。
加藤が手がける映像制作の最大の特徴は、冗長なシーンを徹底的に削ぎ落とし、視聴者のアテンションを1秒たりとも切らさないテンポ感にある。BGMの挿入タイミング、環境音の生かし方、テロップのフォントや配置に至るまで、細部への配慮は緻密そのもの。リアルなドキュメンタリーでありながら、極上のドラマを観ているかのような満足感を与える技術は、他の追随を許さない。