格闘技とは、広義には「自らの肉体(またはそれに準ずる限定された用具)を用い、定められた公平なルールに基づいて相手を制圧・打倒し、優劣を競い合う身体接触スポーツ」の総称です。英語圏ではコンバットスポーツ(Combat Sports)やマーシャルアーツ(Martial Arts)と表記されます。
よく混同される概念が「武道」と「格闘技」の違いです。この二者は歴史的背景と目指す到達点が異なります。
- 武道(柔道・剣道・合気道・弓道・空手道など):武士道精神や日本の伝統文化を源流とし、「道」の文字が示す通り、勝敗の先にある精神修養・礼節の体得・人格完成を最上位の目的とします。「礼に始まり礼に終わる」作法や形(かた)の継承が重視されます。
- 格闘技(ボクシング・キックボクシング・MMA・レスリングなど):明確に規定された競技規則(ユニファイドルール等)の中で、技術・体力・戦術を駆使して勝利することを主目的とします。興行性やアスリートとしての記録・勝敗が前面に出る近代スポーツとしての性格を強く持ちます。
- 一般スポーツとの違い:サッカーやテニスがボールや道具を介した間接的な競い合いであるのに対し、格闘技は「相手の肉体そのものに対する直接的な打撃・組撃ち」が公認されている点に最大の特徴があります。
かつては危険視された格闘技術ですが、過度な殺傷性・危険行為を徹底的に排除した厳密なルール設計とレフェリーストップの厳格化により、極めて高度なタクティクス(戦術)を競う近代アスレチックスへと昇華しています。