SNSやコミュニティ掲示板で頻繁に語られる「仕事を辞めたら人生が楽しすぎる理由」の根底には、心身を蝕んでいた慢性的ストレスからの完全な脱却があります。厚生労働省の「労働安全衛生調査」でも労働者の過半数が仕事に強い不安やストレスを感じていると回答しており、退職によってこれらのストレッサーが一気に消滅するインパクトは計り知れません。
多くの退職者がまず口にするのが、自律神経の急速な回復と睡眠の質の劇的改善です。毎朝定時に強制起床させられる苦痛がなくなり、好きな時間に眠り、好きな時間に起きられるという生理的自由を取り戻すだけで、抑うつ気分や慢性的な倦怠感は見違えるほど解消されます。心理学でいう「認知的負荷の遮断」が起きることで、脳のワーキングメモリが仕事のトラブルから自分自身のケアへと解放されるのです。
また、理不尽な上司の叱責や職場の派閥争いなど、職場環境における心理的バウンダリー(境界線)の侵害がゼロになることも大きな要因です。「仕事辞めてよかった」と語る体験談の多くで、平日の昼間に散歩をする、静かなカフェで読書を楽しむ、誰にも急かされずに自炊をするといった、些細な日常の自由時間に深い多幸感を覚える様子が報告されています。これは心身が危険領域に達していたサインが解消され、人間本来のバイオリズムを取り戻した結果といえます。