誰の喉にも扁桃腺と陰窩が存在するにもかかわらず、なぜ「頻繁に匂い玉ができる人」と「まったくできない人」に分かれるのか。その最大の分岐点となるのが、口腔内の乾燥度合いと呼吸習慣です。
唾液には、口の中の汚れや細菌を洗い流す「自浄作用」に加え、リゾチームやラクトフェリン、IgA抗体といった強力な「抗菌・免疫物質」が豊富に含まれています。正常な状態であれば、分泌された唾液が扁桃の陰窩を常に潤し、細菌の過剰な増殖を抑制しています。
しかし、以下のような要因によって唾液の分泌が低下したり口腔内が乾燥したりすると、自浄作用が急激に失われます。
- 慢性的な口呼吸:アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、鼻中隔彎曲症などによる鼻づまり、あるいは就寝中の無意識な開口。
- ストレスや自律神経の乱れ:交感神経が優位になることで唾液分泌量が減少し、粘度の高いネバネバした唾液に変化する現象。
- 加齢や薬剤の副作用:抗ヒスタミン薬や降圧薬、抗うつ薬などの服用による口腔乾燥(ドライマウス)。
- 長時間のマスク着用や会話不足:口周りの筋肉の弛緩や口呼吸の常態化。
口腔内が乾燥すると、陰窩の内部に留まる細菌の密度が跳ね上がり、免疫細胞との交戦が激化します。その結果、白血球の死骸や壊死物質が短期間で大量に蓄積し、巨大な膿栓が形成されやすくなるという悪循環に陥るのです。