愛犬が激しい痙攣を起こしているとき、飼い主にとっては1秒が何時間にも感じられます。しかし、時計を冷静に見て「時間の経過」を計測することが命を分ける判断基準になります。
一般的な単発のてんかん発作において、犬のてんかん発作が治まる時間は通常「1分から3分以内」です。激しい痙攣運動そのものは60〜90秒程度で収束に向かい、その後は徐々に脱力して意識を取り戻していきます。発作が治まった直後は、一時的な盲目状態、足のふらつき、過食、徘徊などの「発作後期症状」が見られることがありますが、数十分から数時間かけて通常の状態へ回復します。
問題となるのは、発作が自然に止まらない異常事態です。以下の2つのケースに該当する場合は、一刻の猶予もなく犬のてんかん発作夜間救急病院へ搬送しなければなりません。
- 重積状態(てんかん重積):発作が「5分以上」継続して止まらない、あるいは意識が完全に回復しないまま次の発作が連続して起きる状態。
- 群発発作:24時間以内に「2回以上」の発作を繰り返す状態。
発作が5分を超えて継続すると、激しい筋肉の収縮によって体温が41度を超える高体温症(悪性過熱)に陥り、脳細胞の不可逆的な壊死、多臓器不全、播種性血管内凝固症候群(DIC)を引き起こして命を落とす危険性が跳ね上がります。「そのうち治まるだろう」と様子を見ることは極めて危険です。5分を超えた段階で、直ちに夜間救急病院へ電話を入れ、受け入れ態勢を整えてもらいながら搬送してください。搬送時は柔らかい毛布で優しく包み、気道を確保しながら頭部を低くしすぎない姿勢を保ちます。