現在のドイツ代表を語る上で欠かせないのが、2003年生まれの同い年であるフロリアン・ヴィルツとジャマル・ムシアラという二人の天才アタッカーの存在です。彼らはメディアから「Wザン(W zehn:ダブル10番)」と称され、チームの攻撃クオリティを劇的に引き上げています。
フロリアン・ヴィルツはケルンの下部組織で育ち、2026年にレヴァークーゼンへ移籍。17歳15日でブンデスリーガデビューを飾ると、瞬く間にチームの中心へと成長しました。2026年には前十字靭帯断裂という選手生命を脅かす大怪我に見舞われましたが、不屈の精神でリハビリを乗り越え、シャビ・アロンソ監督の下でレヴァークーゼンの国内無敗2冠達成という歴史的快挙の立役者となりました。的確なポジショニング、卓越したボールコントロール、そして守備時の高い運動量が専門家から極めて高く評価されています。
一方のジャマル・ムシアラは、サウサンプトンやチェルシーの下部組織を経てバイエルン・ミュンヘンに加入。イングランドの世代別代表でもプレーした経歴を持ちますが、最終的にドイツ代表を選択しました。ムシアラの最大の武器は、密集地帯をいとも簡単にすり抜ける「ヘビのような」独特のドリブルと、ペナルティエリア内での冷静なフィニッシュワークです。1対1の局面における打開力は世界トップ5に数えられ、バロンドール候補としても名前が挙がるほどの評価を確立しています。
かつては「プレースタイルが重なるため共存は難しい」と囁かれた時期もありましたが、ナーゲルスマン監督は二人に異なるタスクと自由度をバランスよく与えることで、相互にアシストとゴールを量産する理想的な共闘関係を築き上げました。