検量室前で交わされた関係者の生の声には、勝者と敗者の明暗が生々しく刻まれていました。レース直後の騎手コメントおよび調教師の公式会見から、勝因と敗因の深層を紐解きます。
見事な手綱さばきで伏兵を勝利に導いた鞍上は、勝利騎手インタビューで次のように語りました。
「事前の作戦通りでした。ペースが流れることは分かっていたので、淀の坂の下りでも慌てず、馬のリズムだけを最優先に後方で息を入れました。直線で外に出した瞬間の手応えが抜群で、これなら確実に前を捉えられると確信しました。馬自身が最後まで集中力を切らさず走ってくれた結果です」
一方、無念の4着に敗れた1番人気の鞍上は、沈痛な面持ちで敗戦の弁を述べています。
「返し馬の段階から少し気負っているところがありました。勝負どころの下り坂で外からプレッシャーを受け、予定よりも一段階早く動かされる形になってしまった。直線で追い出してからも、馬場の荒れた部分に脚を取られて踏ん張りが利きませんでした。断然の人気に応えられず、本当に申し訳ありません」
また、レース前のパドック評価を振り返ると、すでに予兆は現れていました。1番人気馬は前走比プラス8キロとやや余裕残しの馬体で、首の動きに硬さが見られたのに対し、勝利した7番は無駄肉のない研ぎ澄まされた馬体を誇り、二人引きでも落ち着き払った周回を披露していました。現場の観察眼を持つファンにとって、パドックの仕上がりと気配の差は決定的なサインとなっていたのです。