万が一発症した場合の治療技術は、目覚ましいスピードで進化を遂げている。かつてのように長期間の絶対安静や厳しい食事制限を強いられる時代は過ぎ去りつつある。
現在主流となっている直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)は、出血リスクを最小限に抑えながら、ピンポイントで血栓の形成を阻害する。さらに重症例に対しては、太ももや腕の血管から極細のカテーテルを挿入し、超音波振動で血栓を破砕しながら特殊な吸引装置で直接吸い出す低侵襲手術が標準化された。
発症から処置までの時間が早ければ早いほど、後遺症なく社会復帰できる確率は跳ね上がる。医療技術がどれほど進化しても、「違和感を覚えたら即座に専門医を受診する」という個人の初動スピードに勝る救命手段は存在しない。