頓宮裕真の球歴を語る上で欠かせないのが、名門・亜細亜大学時代に培われた屈強なメンタリティと、プロ入り後のポジション転向という大きな決断です。大学時代は「東都大学リーグ屈指の強肩強打の捕手」として名を馳せ、主将としてもチームを牽引。2018年ドラフト2位でオリックス・バファローズへ入団した際も、本人は一貫して「打てる捕手」としての矜持を強く抱いていました。
しかし、プロの壁は厚く、三塁手や捕手など複数のポジションを転々とする中で送球難や故障に苦しむ時期が続きます。転機となったのは、中嶋聡前監督による「一塁手への専念」という英断でした。守備の重圧から解放され、持ち前の天性のリストワークと卓越したバットコントロールを打撃に全振りできる環境が整ったのです。
2026年シーズン、頓宮は右打者特有のアウトコースへのリーチと逆方向へ強く押し込む打撃技術を確立。規定打席に到達して打率.307を記録し、自身初となるパ・リーグ首位打者のタイトルを獲得しました。オリックスの生え抜き日本人右打者による首位打者獲得は実に長年の悲願であり、常勝軍団への脱皮を象徴する決定打となったのです。