「夜間に激しい腹痛があり直接受診したが、かなり待たされた挙句に高額な請求があった」というネット上の書き込みを見かけることがあります。この背景には、大学病院特有の法制度と救急医療の絶対原則が存在します。
第一に理解すべきは、外来受診時の「初診時選定療養費」の存在です。国が推進する医療機能分担のルールに基づき、特定機能病院である獨協医科大学病院を他の医療機関からの紹介状なしで受診した場合、通常の診療費(健康保険適用分)とは別に、原則として7,700円(税込)以上の特別料金が自己負担として徴収されます。これは救急外来であっても例外ではありません。ただし、直ちに生命の危機があると判断されてそのまま緊急入院となった場合や、救急車で搬送されて重篤と判定されたケースなどでは徴収が免除される規定があります。
第二の壁が「院内トリアージ」です。受診受付を行うと、専任の看護師がバイタルサインや自覚症状、意識レベルをチェックし、緊急度を5段階(蘇生、緊急、準緊急、低緊急、非緊急)に分類します。ここでの診察順は「到着した順番」ではなく「生命の危険度順」です。後から運ばれてきた心肺停止患者や重症外傷患者の処置室へ医師が総出で入るため、自力歩行で来院した中等症・軽症患者の待ち時間は、2時間から4時間以上に及ぶことも珍しくありません。