油で揚げる唐揚げとオーブン唐揚げの最大の違いは、熱の伝達方式にあります。油調では170〜180度の高温油が衣の水分を一気に気化させますが、オーブンでは「熱風の対流(コンベクション)」と「放射熱」によって加熱が進みます。
オーブン調理でカリッとした食感を生む鍵は、鶏もも肉の皮下脂肪にあります。鶏皮には約40%もの脂質が含まれており、200度以上の高温に晒されることで内部から脂が溶け出し、衣のデンプン質を内側から「自ら揚げる」現象が起きます。この自己加熱プロセスを効率化させることで、追加の揚げ油なしでも黄金色の香ばしい焼き目(メイラード反応)を形成できるのです。
肉汁の流出を防ぐためには、肉表面のタンパク質を高温で素早く凝固させ、内部の水分を閉じ込める必要があります。低温でダラダラと加熱すると肉内部の水分(自由水)が蒸発し尽くし、いわゆる「パサパサ唐揚げ」に陥るため、初動の高温加熱が決定的な意味を持ちます。