まず言葉の定義を正しく押さえておきましょう。疝痛の読み方は「せんつう」であり、英語では「Colic(コリック)」と表現されます。漢字の「疝」には「下腹部が引きつれて痛む」という意味が含まれており、古くから東洋医学・西洋医学双方で特徴的な痛覚発作として記録されてきました。
この疝痛の意味を現代医学の観点から紐解くと、「消化管、胆管、尿管などの管状の臓器(管腔臓器)が結石や炎症、通過障害によって塞がれた際、内容物を力任せに押し出そうとして平滑筋が激しく収縮と痙攣を繰り返す痛み」と定義されます。臓器内の圧力が限界まで高まる瞬間に激痛のピークが訪れ、筋収縮が緩むと一時的に痛みが軽快するため、患者は「周期的な激痛の波状攻撃」として自覚することになります。
痛みの強度は生半可なものではなく、医療現場で用いられる疼痛評価スケール(VAS:視覚的アナログ尺度、10点満点)において、多くの臨床データで「8〜10点(失神や号泣を伴う最大級の痛み)」と判定されます。出産や心筋梗塞と並ぶ三大激痛の一つに数えられる尿路結石の痛みは、まさにこの疝痛発作の典型例です。