かつて「ゲーム実況」といえば、アングラなネットコミュニティの限られた熱狂に過ぎなかった。自室のPC前でゲーム画面に向かって叫び、コメント欄の視聴者とリアルタイムで感情を共有する。そんな日常の延長線上にある配信活動が、全国の書店やコンビニの棚で最も目立つファッション誌の「顔」になるなど、誰が予想できただろうか。
『anan』といえば、各時代を代表するトップアイドルや俳優、文化人がそのグラビアを飾ってきた歴史ある聖域だ。そこにコントローラーを握るひとりのYouTubeクリエイターが躍り出たことは、日本のメディア史におけるターニングポイントとなった。「動画を見る層」と「雑誌を買う層」の不可視の境界線は、この瞬間を境に完全に消失したのである。