大谷選手の歴代登場曲を語る上で欠かせないのが、世界的なトレンドとなった日本のアニメ作品の楽曲です。特に2021年の『呪術廻戦』エンディングテーマ『LOST IN PARADISE feat. AKLO』(ALI)と、アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』のメインテーマである『イル・ヴェント・ドーロ(Il vento d'oro)』の採用は、現地アメリカのファンやメディアにも大きな衝撃を与えました。
『呪術廻戦』の選曲理由について、当時のインタビューで大谷選手は「毎週楽しみにアニメを見ていた。曲のリズムが良く、打席に入るテンポに合っている」とシンプルに語っています。気負わずに普段自分が楽しんでいるカルチャーをそのままグラウンドに持ち込むナチュラルさが、大谷選手らしさの真骨頂です。
さらにネット上で伝説となっているのが『ジョジョ』の楽曲です。作中で主人公ジョルノ・ジョバァーナが形勢逆転する瞬間に流れることから、ファンの間では「処刑用BGM」の異名を持つこの楽曲。大谷選手が打席に向かい、トランペットとピアノの鋭いリフが球場内に鳴り響いた瞬間、SNSでは「相手投手にとっての絶望の合図」「鳥肌が止まらない」と日米のファンが大熱狂しました。
一方で、メジャーリーグの球場文化において「洋楽ヒップホップやオルタナティブ・ロック」が果たす役割も極めて重要です。アフロジャックやエミネム、ルーペ・フィアスコといった王道洋楽を採用することで、現地の野球ファンとの文化的距離を一気に縮める効果を生み出しました。「日本の誇るポップカルチャー」と「本場アメリカのストリート・スタジアムカルチャー」を高次元で融合させた選曲センスこそ、彼が日米双方で愛される要因の一つとなっています。