事件の展開において極めて重要な節目となったのが、2024年1月22日に水戸地方裁判所で下された判決でした。茨城県教育委員会は事件後、当時の担任だった女性教諭に対し「不適切な指導を行い、いじめを助長・放置した」として停職1カ月の懲戒処分を下していました。
しかし、担任教諭はこの処分を不服として茨城県を相手取り処分の取り消しを求めて提訴。水戸地裁は判決で、「当時の学級運営や指導内容が適切さを欠いていた面はあるものの、懲戒処分に相当する重大な義務違反とは認められない」として、県の懲戒処分を取り消す命令を下しました。
この判決は、教育行政が批判を鎮火させるために現場の担任教諭一人に責任を押し付け、いわゆる「トカゲの尻尾切り」を図った構造を厳しく突いたものとして受け止められています。学校長をはじめとする管理職や、事態を揉み消そうとした教育委員会全体の組織的怠慢こそが問われるべきであり、個人の裁量だけに矮小化してはならないという司法の強い警告となりました。