新玉川温泉を検討する旅行者が真っ先に直面するのが、約1キロメートル離れた地に建つ本家「玉川温泉」との違いです。両施設は同一の源泉から湯を引いているため、温泉自体の泉質や化学的組成に根本的な差異はありません。湧出する湯は塩酸を主成分とする酸性・含二酸化炭素・鉄(II)-塩化物泉で、古くから多くの人々が健康回復を求めて足を運んできました。
決定的な違いは建物のコンセプトと滞在スタイルに現れています。玉川温泉が自炊棟を備え、屋外の地熱地帯にゴザを敷いて行う天然岩盤浴など、昔ながらの厳格な湯治文化を継承しているのに対し、新玉川温泉は快適な宿泊環境を最優先に設計された近代的な温泉ホテルです。全館がほぼバリアフリー化されており、エレベーターや車椅子対応トイレを完備。冬期になると玉川温泉が一般営業を大幅に制限または休館するのに対し、新玉川温泉は豪雪期であっても通年で営業を続けています。
期待される湯治効能としては、慢性皮膚病、神経痛、筋肉痛、冷え性、疲労回復などが挙げられます。強烈な酸性度は高い殺菌力を持ち、微量に含まれるラジウム放射線によるホルミシス効果も期待されています。しかし、その刺激の強さゆえに、正しい知識を持たずに入浴すると皮膚炎を悪化させる危険性があります。新玉川温泉はそのリスクを最小限に抑えるため、大浴場内に多彩な濃度別の浴槽を設計しているのが際立った特徴です。