鹿屋航空基地史料館を語る上で外せない最大のハイライトが、屋外に堂々とそびえ立つ「二式大型飛行艇(二式大艇一二型)」です。第二次世界大戦当時、川西航空機(現・新明和工業)が開発し、当時の世界水準を遥かに凌駕する航続距離と飛行性能を誇った傑作水上機であり、現存する実機は地球上にこの鹿屋の1機しか存在しません。
終戦後、米海軍に接収され徹底的な性能テストを受けた後、1979年に日本へ返還。東京の「船の科学館」での野外展示を経て、2004年にかつての運用拠点であった海上自衛隊鹿屋航空基地へ移管されました。全長約28メートル、全幅約38メートルという巨躯は、間近で見上げると圧倒的な迫力で迫り、当時の日本の航空技術の粋を雄弁に物語っています。
さらに2階展示室で来館者の目を奪うのが、「零式艦上戦闘機五二型」の実機展示です。この機体は、鹿児島県錦江湾および吹上浜の海底から引き揚げられた2機の残骸を組み合わせ、綿密な調査と匠の技によって見事に復元されたもの。小説や映画『永遠の0』でも脚光を浴びた名機が、静寂のなかで鈍い銀色の光を放つ姿は、当時の空の戦いの激しさを今に伝えています。