まず大前提として、2026年現在の公開情報を精査する限り、「キョンシー チビクロ」という名称が公式な映画作品、アニメ、ゲーム、書籍のタイトルとして確認できる事例は存在しない。つまり、商業ベースのエンターテインメント作品から直接生まれた「キャラクター」ではないとみるのが妥当だ。
では、どこから来たのか。有力なのは、2000年代後半から2010年代前半にかけて隆盛を極めた「洒落怖(しゃれこわ)」系の掲示板文化と、同時期に流行した心霊スポット動画のコメント欄である。当時のネットユーザーが「小学生の頃、近所の廃墟で青白い顔の小さな影を見た。友人たちは『チビクロ』と呼んでいた」といった体験談を投稿し、それに別のユーザーが「それ、キョンシーみたいな動きじゃなかった?」と反応したことで、「キョンシー チビクロ」という言葉が偶発的に生まれた可能性が指摘されている。
実際、2010年代の匿名掲示板には「キョンシー チビクロ」に関するスレッドが複数回立っており、いずれも「何それ」「うちの地元にも似たような話がある」といった形で情報が寄せ集まっていく様子が確認できる。特段の一次情報があるわけではなく、書き込み同士が互いを補強し合うことで、あたかも実在の怪異であるかのような輪郭を帯びていったのだ。