スーパーでよく見かける「若鶏もも肉」「若鶏むね肉」という表記。この「若鶏」という名称は、日本農林規格(JAS法)や食肉公正競争規約において「生後数ヶ月以内の柔らかい肉質の鶏」を指す表示基準として定められています。そして、国内で流通する若鶏の約9割以上を占めているのがブロイラーです。
語源の由来は、英語の「Broil(オーブンや直火などで炙り焼きにする)」に人を表す接尾辞「-er」が付いたもの。「丸ごと直火で焼いて食べるのに適した若くて柔らかい鶏」という意味から名付けられました。もともと明治・大正期の日本では、採卵用として飼育された雌鶏が生涯を終えた「廃鶏(親鶏・採卵成鶏)」をスープや煮込み料理にして食べる文化が一般的でした。しかし、昭和30年代(1950年代後半)以降、欧米から急速に成長する肉専用のハイブリッド鶏が導入され、日本の食肉市場は劇的な転換期を迎えました。
ブロイラーは単一の原種鶏ではなく、肉付きの良い「白色コーニッシュ」の雄と、産卵能力と発育性に優れた「白色プリマスロック」の雌などを何世代にもわたって掛け合わせた「四元交配」などの高度なハイブリッド品種(一代雑種・F1)です。親世代の優れた特長だけを受け継ぐ「雑種強勢」のメカニズムを最大限に活用し、短期間で骨格と筋肉をバランスよく成長させる肉専用鶏として確立されています。