血液ガス分析の数値を評価する際、暗記しておくべき基準値は限られています。臨床検査データの数値を正しく照合し、どのパラメーターが正常域から逸脱しているかを即座に見極めることが診断の第一歩です。
特に重要な動脈血ガス分析の基本基準値は以下の通りです。
- pH(水素イオン指数):7.35 〜 7.45(基準中央値:7.40)
- PaCO2(動脈血炭酸ガス分圧):35 〜 45 mmHg(呼吸性因子・酸性物質の指標)
- HCO3-(重炭酸イオン濃度):22 〜 26 mEq/L(代謝性因子・アルカリ性物質の指標)
- Base Excess(BE / 緩衝塩基過剰):-2.0 〜 +2.0 mEq/L(代謝性変化の全体像を示す指標)
- PaO2(動脈血酸素分圧):80 〜 100 mmHg(酸素化能の評価)
- SaO2(動脈血酸素飽和度):95 〜 98%
酸塩基平衡の見分け方における鉄則は、「PaCO2は肺がコントロールする酸のパラメーター」であり、「HCO3-(およびBE)は腎臓がコントロールするアルカリのパラメーター」であると整理して捉えることです。pHが酸性に傾いていればアシドーシス、アルカリ性に傾いていればアルカローシスであり、その原因を作った張本人がPaCO2の上昇(または低下)なのか、HCO3-の低下(または上昇)なのかを順を追って確認します。