過去の最高裁判所判例の積み重ねにより、日本の刑事司法は脅迫の成立範囲を極めて厳密かつ実質的に見極めてきた。
判例上、告知される害悪は行為者が自ら直接コントロールできる事柄である必要はない。「天罰が下る」といった迷信的な言葉は原則として脅迫にあたらないが、「暴力団の知り合いを使って痛い目を見せてやる」というように、第三者の力を介して危害を加える旨を告げた場合は、行為者がその第三者に影響力を及ぼし得ると相手が信じるに足る状況であれば成立する。
初犯であっても、告知内容の凶悪さや被害者の受けた精神的苦痛の深さによっては、略式起訴による罰金にとどまらず正式裁判で実刑判決が下されるケースもある。示談の成否が起訴・不起訴の分かれ目となるが、被害者の処罰感情が苛烈な場合、示談交渉すら拒絶されることは珍しくない。