仕上がりの完成度を8割左右するのが、油に入れる前の下ごしらえです。どれほど上質な油や調味料を使っても、カレイの唐揚げの下処理を疎かにすると、独特の泥臭さや生臭さが油に移り、料理全体を台無しにしてしまいます。
最初に行うべきは、体表のヌメリ取りです。カレイの皮目には特有の粘液があり、これが酸化臭の元凶となります。包丁の刃先を垂直に当て、尾から頭に向かってこそげるようにヌメリを削ぎ落とします。その後、流水で素早く洗い流し、清潔なキッチンペーパーで水気を完全に拭き取ります。塩を全体に軽く振って約10分間置くと、浸透圧によって余分な臭みを含んだドリップが浮き出てきます。この水分を再度ペーパーで徹底的に吸い取ることが、最初の関門です。
次に勝負を分けるのが、カレイの唐揚げの切り込みの入れ方です。表側の黒い皮、裏側の白い皮の両面に対し、中骨に刃先がカツンと当たる深さまで、×印(クロス)または約1センチ幅の格子状に隠し包丁を入れます。特に身の厚い背骨周辺と、硬いヒレの付け根(エンガワ部分)にしっかり刃を入れておくことで、油の対流が直接骨まで届き、熱伝導のスピードが飛躍的にアップします。このひと手間で、後述する二度揚げの効果が最大限に発揮されます。