衝撃的な本塁打を連発し、投手としても凄まじい球速を叩き出す姿を見て、「何か特別な薬品でも使っているのではないか」という安易な邪推が生まれるのは、過去のステロイド時代を知るファンやメディアのトラウマとも言える。しかし、現代のスポーツジャーナリズムに求められるのは、妄想によるフェイクニュースの拡散ではなく、一次情報に基づく事実の提示だ。
実際にSNS上で出回った噂の多くは、センセーショナリズムを狙った匿名アカウントの発言や、文脈を無視した動画の切り抜きが引き金となっていた。MLB.tvなどの公式配信でプレーの細部まで可視化される現代において、不正を隠し通すことは不可能に近い。主要メディアの取材でも、怪しい物質への関与を示す痕跡は過去一度たりとも確認されていない。