理科・物理の根底には「仕事の原理」という絶対的な物理法則があります。仕事とは「加えた力(N:ニュートン)× 力の向きに動かした距離(m)」で表され、単位はJ(ジュール)を用います。
道具を使うと小さな力でものを持ち上げられますが、その代わりにひもを引く距離が長くなり、「人間が行う仕事の総量」は道具を使わない場合と完全に一致します。
具体的な数値例で計算プロセスを確認してみましょう。
【例題】600gの物体(重力6N)を30cm(0.3m)真上に持ち上げるケース
① 手で直接持ち上げる場合:
必要な力:6N
移動距離:0.3m
仕事量:6N × 0.3m = 1.8J
② 定滑車を使う場合:
必要な力:6N(力は減らない)
引く長さ:0.3m
仕事量:6N × 0.3m = 1.8J(下向きに引けるため体格や体重を活用できる)
③ 動滑車を使う場合(滑車の重さを無視):
必要な力:6N ÷ 2 = 3N(力は半分で済む)
引く長さ:0.3m × 2 = 0.6m(2倍引く必要がある)
仕事量:3N × 0.6m = 1.8J
このように、動滑車を使っても仕事の合計量は1.8Jで変わりません。「力は半分、距離は2倍」になるからこそ、仕事量が釣り合う仕組みになっています。