メインイベントの緊張感は異様だった。ゴング前の睨み合いから会場の空気が張り詰め、観客は息をのんで両者の第一歩を見守った。挑戦者はゴングと同時に中央へ圧力をかけ、王者の左ストレートの打ち終わりに完璧なタイミングで右フックを合わせた。
マットに沈む王者。追撃のパウンド。レフェリーが慌てて割って入った瞬間、新たな王者が誕生した。前評判では王者有利と見られていた下馬評を覆す衝撃の一幕。勝利した新王者はコーナーポストに駆け上がり、歓声の渦に向かって雄叫びをあげた。格闘技の恐ろしさと魅力が凝縮された42秒間だった。