カルト的な評価を不動のものとした児嶋都の代表作は、今なおプレミア価格で取引される名作揃いです。その筆頭が、自身の怪奇短編を集成した『怪奇曼陀羅』シリーズです。
この作品集では、無垢な少女たちが日常の歪みから異界へ迷い込み、肉体と精神を解体されていく様が、過剰なまでの美しさをもって描かれています。また、本格ミステリ作家・綾辻行人の傑作ホラー小説をコミカライズした『眼球綺譚』『緋色の囁き』は、原作の持つ重厚な空気感と児嶋都の耽美的な陰影描写が完璧なケミストリーを起こし、コミカライズの金字塔として高く評価されました。
さらに、漫画の枠を超えて注目を集めたのが画集・イラストワークです。モノクロの緻密なペン画から、透明水彩とアクリルを駆使したフルカラーイラストまで、彼女の描く少女たちは常に「生と死の境界線」に佇んでいます。瞳の奥に宿る虚無感と、華美なレースや薔薇、内臓や骨格のモチーフが同居するビジュアルは、後進のゴシック・ロリータ文化やダークファンタジー系イラストレーターに決定的な影響を与えました。