賠償金の返済期間が数十年、時には100年近くに及ぶ理由は、金利の複利効果と国家財政の限界にある。ドイツが第一次世界大戦の賠償金支払いを完全に終えたのは、なんと調印から91年が経過した2010年10月のことだった。ナチス政権下での支払い停止や第二次大戦後の再編を経て、ドイツ再統一後に延滞利息の支払いが再開され、ようやく歴史的な清算が完了したのだ。
さらに悲劇的な例がカリブ海の島国ハイチである。1825年、フランス艦隊に包囲される中で独立の承認と引き換えに要求された金額は、当時のハイチの国家予算の数百倍に及んだ。ハイチはフランスの銀行から高利で資金を借り入れて支払いに充てたため、「賠償金を払うための借金」という二重の債務地獄に陥り、完済したのは第二次大戦後の1947年だった。
イラクの事例でも、国連が主導する決済システムを通じて石油輸出収入の一定割合が自動的に賠償原資へ回される仕組みが取られた。完済が2022年までずれ込んだ現実は、一度背負った国家規模の賠償責任がいかに長く未来の世代を拘束するかを物語っている。